生肉食と犬のQOL【論文・発表を読んでみる】

この記事のポイント(AI要約)
- 生食ドッグフード「HUGBOX」のハグオール&バイオシスラボが、犬の生肉食(RMBD)を続けるとどうなるかを学会で発表。そのレポートを紹介するコラムです
- 犬9頭に試してもらったところ、腸内細菌が少し変わったり、便や口臭、落ち着きに変化があったとの飼い主アンケート結果も。ただ比較する犬がいない試験なので、まだ「効果あり」とは言い切れないみたい
- 家庭で生肉食を再現するのはハードルが高い、けれど研究が進めばいつか当たり前になるかも?
長男の所属している「一般社団法人 日本ペット栄養学会」の大会が、7/12に行われました。
長男はスケジュールの都合で参加できなかったのですが、学会誌の中にちょっと気になる発表があったのでご紹介します。
RMBDの継続摂取が犬の腸内環境及びQOLに及ぼす影響
この発表は、栃尾 巧 氏(株式会社バイオシスラボ)と梶谷 江世 氏(株式会社ハグオール)の二名が一般演題で口頭発表したものです。
J-STAGE:RMBDの継続摂取が犬の腸内環境およびQOLに及ぼす影響
RMBDとは
「Raw Meat-Based Diet」の略で、日本語では「生肉食、生食中心の食事、生肉をベースにした食事」というニュアンスになります。
株式会社ハグオールでは「ハグボックス」シリーズのドッグフードを展開しており、この発表はそのフードを用いた研究ということになります。
◎ハグボックス
非加熱・無添加の生肉ごはん。抗生剤・ホルモン剤不使用の鶏を使い、筋肉・内臓・骨・野菜をまるごとブレンドしています
評価ポイントは3つ
試験は犬9頭に、RMBDを継続的に食べさせることでどのような変化が起きたかを検証しています。
- 腸内の菌の種類が多様で、偏りがないか
- どのくらいの種類の菌が実際に生息していそうか
- 摂取前の犬と摂取後の犬を比べたときに、どのような違いがあるか
これに加え、以下の飼い主アンケートとして「皮膚状態・精神状態・便の状態・口腔内の状況」について調査を行っています。
結論
有意差は認められなかった
今回の調査ではRMBDを食べる前と食べた後では差は見られなかったとのこと。 ただ全く変化がなかったわけではなく、
- 一部の菌は有意に減少した。ただし全体の割合に影響するほどではなかった
- アンケート調査では「便が変化した、口臭が弱くなった、落ち着きが増した」という回答があった
とのことでした。
発表の考察では
- 試験に用いた犬が9頭と少なかったこと
- 飼い主が”RMBDを食べている”とわかっている状態での試験だったこと
- 対照群(RMBDを食べていない犬)との比較を行っていないこと
が今回の試験の特徴で、RMBDに特定の菌を減らす効果があったのか他の理由で菌が減ったのかがわからないと記載されています。
今後はより厳密な「ランダム化比較試験(RCT)」による検証が望まれる、とされています。今後の研究に期待したいですね。
日常生活で生肉食は可能か
現時点では日々の生活での生肉食は現実的ではないなぁと、長男的には思います。
- スーパーの肉は加熱前提で生食用ではない
- 生食用の肉を買えば安心ではない。家での保存や調理次第でリスクは上がる
- 個人レベルでの手作り食は、栄養基準を満たすことはとてもむずかしい
この3つを個人の家庭でクリアするのは至難の業です。 ペット向けの生食フード市場は少しづつ広がっています。しかし衛生基準や栄養基準を満たすフードとなると数はぐっと減り、価格は上がります。特に栄養基準において、総合栄養食の基準を満たすのは簡単ではありません。
そこまでして生肉食を取り入れるメリットがあるのか、というのはこの研究はまだわかりません。ここから研究が進めば「生肉食はこんなにいい」が科学的に証明されるかもしれませんね。
生食は特別
考えてみれば、私たち人間の食事でも生食は特別なものです。
お魚のお刺身が食卓に出てくると嬉しいですし、お肉のお刺身が食べられるとなるとテンションが上がります。卵かけご飯だって生卵だし、シャキシャキの生野菜のサラダだってちょっと贅沢な気分にさせてくれます。生ビールも美味しいですね。
そんな生食の贅沢をウチの子にも、という気持ちになるのは当たり前かもしれないな。そんな風にこのコラムを書いていて思いました。そんな飼い主の希望を叶えてくれる、そんな商品が今後増えてくれば良いなと思います。
というかペット用の生肉食の技術が進めばそれはきっと人間にも応用できるはず。今は高級品の肉のお刺身や肉寿司がもっと身近になるのかもしれません。
ふと思い出したのですが、ドイツには豚ひき肉の生食文化があるとか。日本では「しっかり火を通す」の代表格の豚肉を生で食べる人たちがいるなんて驚きです。
しかし海外から見ると生卵はありえない食文化だそうですね。

ドイツの豚肉も日本の生卵も厳格な衛生管理の元に、安全に食べられることができます。そう考えると、ワンちゃんの生肉食が当たり前になる日も案外遠くないのかもしれません。
関連リンク
HUGBOX 公式HP
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